誕生の経緯
あなたが子どものころから大好きで、大人になった今でも愛して止まない地元の味は何ですか。
家族と囲む食卓とともに思い出される懐かしい味が、誰にでもひとつはあるはずです。
気軽に食材が手に入らない時代に、地元で採れる野菜や果物、魚介などをいかに安全に保存しかつ美味しく食べるか、人々の知恵がつまった美味しい食べ物が、日本にはたくさんありますよね。
私にとっては、この「屋久さばらっきょ」がそれにあたります。
さば節と塩漬けらっきょうを合わせた一品。
さば節もらっきょうも、屋久島では昔から家庭で親しまれてきたソウルフードと呼べるものです。
各々の家庭の味があり、島民なら誰もが知る「屋久島の味」です。
私は農業に携わる前に数年の間、観光関係の仕事に就いていました。
観光で屋久島を訪れた方とお話しする機会が多く、そこで必ずといっていいほどされる質問が「屋久島の特産品でお薦めはなんですか?」。
屋久島にはたくさんの特産品があります。
さまざまな品物をご説明するなかで、当初は「塩漬けらっきょうと鯖節を一緒に食べるととっても美味しいんです!」などと熱く語っていたものです。
中には私の話に興味をもって下さる方もいて「それはどこで買えますか?」と聞かれて……あ、売ってない…塩らっきょうは家で漬けるものだし、土産物店にはさば節しかありません。
そうお伝えしたときのお客様のがっかりした表情が今でも忘れられません。
いくら美味しくても、お薦めできる商品自体がなかったのです。
『さば節と塩漬けらっきょうが一緒になった、パックから出してそのまま食べられる手軽な商品がほしい。
そうだ、ないなら自分が作ればいい。』
ここから数年に渡って商品開発に取り組んでいくことになりました。らっきょうの栽培から始めて試行錯誤を繰り返し、やっと商品化することができました。
たくさんの方にこの屋久島のソウルフードを味わっていただきたいという思いで、またこれが島の新しい産業に発展する未来を夢見て、これからも丁寧に作って行こうと思います。
「屋久さばらっきょ」がみなさま の人生の1ページに彩りを添えることができますように。